みなさんおはようございます。4月当初から始業式や入学式をはじめとする多くの行事が予定変更を余儀なくされた令和2年が終わろうとしています。そして今日は、無事に2学期の終業式を迎えることが出来ました。 日本漢字能力検定協会が例年実施している、今年1年を表す漢字1文字の募集結
果では、第1位が「密」、2位が「禍」、3位が「病」であったと発表されました。 私が選んだ文字は、コロナに耐え忍んだ体験から「耐」でありましたが、この漢字は13位という低い順位だったようです。生徒諸君の中には、新型コロナに対して怖さや無力感を抱いた人、長い臨時休業中に家で我慢し続ける生活に息苦しさを感じた人もいたでしょう。一方、学校再開で友達と久々に会い、学校に通える喜びを強く感じた人もいたものと思います。

 

しかし、ここに至って新型コロナウィルス感染の第3波と言われる状況は日を追うごとに深刻化し、厳しい寒さを迎える季節にはいり、GoToキャンペーンの全国 一斉停止など、旅行や経済活動に再び大幅な自粛を求める動きが強まって来ました。また、海外でワクチン接種が始まる中、我が国では令和3年2月頃から医療従事者や特定疾患を有する高齢者を対象に開始されると言われていますが、実際にスタートできるかどうか定かではありません。さらに、重症化しにくいとされる高校生な どの若者には6月頃からといった声も聞かれ、学校現場は半年以上先まで現状の感染防止対策の徹底を継続しなくてはならないものと考えれられます。家庭内感染が増加している実態から、各家庭においても気を緩めることなく感染予防に努め、正しい知識を持ってコロナに立ち向かってほしいと思います。

 

感染拡大に伴い、部活動で多くの大会が中止となったことで、高校生活最後のチャンスにかけてきた全国の高校生の中に、希望や目標を失いかけた人が大勢いるとのニュースを目にするたびに、掛ける言葉が見つかりませんでした。そんな時、多くの著名なアスリートが高校生にエールを送る動画が数多く報道されました。秋口から徐々に各種大会が開催され始めるようになり、3年生にも僅かなチャン スが与えられ、十分な練習が出来なかったとはいえ、参加できる機会が用意されたことに感謝の言葉が多く聞かれるたび、涙の出る思いで選手の言葉を聞きました。本校でも予選を勝ち抜き、高いパフォーマンスを発揮した部活動や個人種目は多く、体操競技の杉山君、BMX の島君,トランポリンの小野さんが見事に日本一に輝いてくれました。さらに、これから前年度全国優勝を果たしたライフセービング部や柔道部が、上位の大会に挑んでいくことになり、期待に胸弾む思いです。

 

どのような環境にあっても、常に最高のパフォーマンスを発揮するための地道な努力を惜しまなかった人だけが、数少ないチャンスを手にするものと思います。東京オリンピック柔道66キロ級代表決定戦の阿部一二三選手と丸山城志郎選手の24分の激闘は、コロナ禍でも目標を見据え鍛錬を継続してきた二人の執念の戦いとして、国内はもとより世界中を興奮させる壮絶な勝負でありました。史上初の兄妹出場でともに金メダル獲得の可能性は高く、日体大の名を世界に轟かすことは確実であり、期待を持ってオリンピック開催を待ちたいと思います。

 

コロナ禍での生活は、3年生にとってつらく苦しい経験となったと思いますが、 長い期間耐え続けた力は、いつか必ず自分の支えになると信じて、これからも高い 意識をもって努力を惜しまず自分を鍛えてほしいと思います。それは3年生だけにとどまらず、1,2年生にも共通することでもあります。3年生はこれから一般受験を迎える人も多く、ESC(エバラ・スタディ・センター) を活用して高い実力をつけた人も多くなっています。志望大学入試の突破をみんなで応援したいと思います。これまでの努力を信じて、部活動で頑張る人たちの勢いをもらって、正念場を乗り切ってほしい。

 

しかし何よりも最後に大切なものは自分自身です。自分を信じ切ることです。「為せば成る、為さねば成らぬ何ごとも、成らぬは人の為さぬなりけり」とは9代目米沢藩主の上杉鷹山の名言であり、元米国大統領も絶賛する人物の言葉です。既に進路が決まった3年生は、ここで努力や歩みを止めてはなりません。次のステージで少しでも高いレベルからスタートを切ることが、新たなチャンスを呼び、期待される存在として迎えられることに繋がります。充実した新たな一歩を踏み出せるよう、3学期には先生方が様々な特別な講座を用意してくれています。是非、自分を高める絶好の機会にしてください。

 

短い冬期休業に入りますが、年末年始は「ステイホーム」を基本にしながら、部活動やESCの活用も可能です。大いに力を伸ばしてほしいと思います。何より、家庭内での感染防止対策を万全にして、新学期には元気な顔で会えるよう楽しみにしています。良い年を迎えてください。

 

校長 松田 清孝