1904年創立の荏原高校は、110年余の歴史と3万人を超す卒業生を輩出してきた伝統校であり、学校法人日本体育大学とともに発展してきた学校です。
建学の精神は「健康・信用・努力・親孝行」であり、教育方針は「慈育厳教」でありますが、学校案内で既に紹介を重ねておりますので、ここでは、趣を変え建学の精神につながる教訓として、私がよく話題にする「親孝行」と「信用」に関する格言をご紹介したいと思います。

○「鳩に三枝(さんし)の礼あり、烏(からす)に反哺(はんぽ)の孝あり」
鳩は世話になった親に敬意をもって三本下の枝にとまる。また烏は成長すると年老いた親に餌を運んできて、口移しで与えると言われる。
動物でさえ親に感謝と敬意の姿勢を示すことを考えれば、人間はそれ以上に親孝行を常日頃から心掛けるべきである。

○「季札(きさつ)剣を挂(か)く」
季札は中国春秋時代の呉の政治家で、孔子も敬慕する人物であった。
紀元前544年、呉王の命により晋に赴く途中、善政で評判の除国の王に面会を求めた。王は季札の剣に興味を示したが、使命を果たした後に献上すると決意する。1年後、帰途に王を訪ねると他界していた。季札は王の墓に剣を挂け国に帰った。義を貫き、相手が死んでも約束を守る、季札の「信用」を大切にする姿勢は、今の時代も高く評価され語り継がれる。

いかがでしたか?私たちがまだ出会ったことのない金言や格言にも、素晴らしい実話や教訓が溢れています。知的好奇心を高めて、生涯を通して学び続け、自分を高めようとする姿勢を、いつまでも持ち続けたいですね。