長引くコロナ禍の中で、東京五輪・パラリンピックが無事に終了しました。開催の成果やリスクなどについて様々な意見が聞かれましたが、その評価は専門機関の分析にお任せすることにします。開催中は日本代表選手の連日の大活躍に国民のボルテージは否応なしに高まり、多くの人に感動や勇気を与えたことは間違いないでしょう。

 

 本校卒業生で体操競技の畠田瞳選手、トライアスロンの小田倉真選手もメダルには届きませんでしたが大活躍してくれ、3年後のパリ大会に向け期待感が高まっています。

 

 9月中旬には、本校が待ち侘びた「学校情報化先進校」認定発表が日本教育工学協会(JAET)によって行われ、本校は見事に全国の私立高校初の認定校に選考され、教職員・生徒が大喜びする大ニュースとなりました。

 

 既に「学校情報化優良校」に認定されている先進的ICT教育実践校のみが応募できる厳しい条件で、取組内容やエビデンス及び候補校現地調査等の審査が行われました。高校では全国で2校目、私立高校初の認定校となり、本校のICT教育レベルが全国で最先端にあることを、専門機関から公に認めていただいたことになります。


 2年前に「学校情報化優良校」の認定を受け、日常的にPC,iPad、プロジェクター、AppleTV等を用いた学習理解度向上、生徒からのフィードバック、教員間の情報共有、厳格な個人情報管理や機器活用支援システム担当の設置などについて実地調査を受け、私も校長としてのビジョンや今後の方向性の説明を求められました。加えて、部活動遠征時や臨時休業時のオンライン及びオンデマンド教材学習、オンラインイベント開催、ICT機器を活用したマルチメディアサークルの生徒による、運動部への科学的サポート、産学連携の研究活動など、ICT教育の多角的・効果的な推進により、難関大学合格実績や運動部の活躍などが高く評価されたものと思います。


 優良校認定時には大学、高校、企業などから視察要望が相次ぎましたが、今回の先進校の認定では、さらにその対応が増加することになるものと思っています。本校のイメージはスポーツに重点が置かれているように従来から思われがちですが、次年度から、最難関大学合格を目指すアカデミックコース、難関大学・一般大学(体育系も含む)合格を目指すアドバンストコース、日本体育大学を中心に体育系大学合格を目指すスポーツコースの3コース制となります。前年度は東京外国語大学をはじめとする国公立大学合格、私立大学では、慶應義塾大学、青山学院大学、学習院大学、中央大学、関西学院大学などの難関大学に一般受験で合格者が出ています。


 日本体育大学には4年連続で100人以上が進学し、本年度は過去最多の合格数が見込まれます。その多くは指定校推薦での進学で、荏原の大きな魅力となっています。全校生徒が一人一台のiPadを持ち、情報量の多い、スピード感のある授業、教員と生徒間での情報共有やフィードバック方式の授業を可能にし、外部進学塾の校内設置も奏功して進学実績向上の大きな要因となっています。


 部活動は毎年10競技以上が全国大会に出場し、複数の競技で全国優勝が見られます。競技力だけに偏ることなく、文武両道を目指して勉強にも力を入れ、高い人間力を育成する活動が日々展開されています。また、校外のスポーツクラブで活躍する生徒も多く、2年前には世界大会やアジア大会で優勝した生徒も輩出しています。


 さらに、前掲したICT機器を活用して選手のフォームや体力を科学的に分析しサポートする「マルチメディアサークル」の存在は斬新性が高く、高校生としてはかなりハイレベルなICT機器活用技術を駆使した活動を展開しています。


 ICT分野の先鋭的存在として、より高い文武両道を実現する荏原高校のこれからの挑戦に、ご期待いただきたいと思います。