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人の心を打つ「謙虚さ」

2018/10/01 校長ブログ 「会場の皆さんがセリーナを応援しているのは知っています。このような終わり方になってごめんなさい。彼女と戦えてとても幸せです。」
これは、去る9月8日に開催された全米オープンテニスで、四大大会シングルス日本人初の優勝を飾った大坂なおみ選手の表彰式でのコメントです。
これまで優勝インタビューをテレビ等で数多く見てきましたが、これほど控え目で相手を気遣う謙虚なコメントを、私は初めて聞きました。
四大大会歴代最多に並ぶ24度目の優勝を狙った、世界ランク1位のセリーナ・ウィリアムズ選手を相手にストレート勝ちし、優勝賞金4億2180万円を獲得したチャンピオンの言葉とは思えない内容でありますが、これには伏線があったのです。
試合中のコーチの指導を違反行為として、主審がセリーナ選手にペナルティを課し、ラケットを叩き壊し、暴言を吐いた行為でペナルティはさらに厳しくなりました。
多くのセリーナファンが主審に対して大ブーイングを浴びせ、表彰式での大坂選手へのインタビューの最中にもブーイングが起こるという、異様な雰囲気になりました。
しかし、冒頭のコメントが会場に流れると状況は一変し、拍手が鳴り響きました。
若干20歳の大坂選手が偉大な先輩に敬意を表しながら精一杯の謙虚な姿勢を見せたことで、セリーナファンの高ぶる感情を一瞬にして和ませ、ブーイングを拍手の嵐に変えてしまうという、前代未聞の事態が起こったのです。
一人の若いテニスプレーヤーの謙虚な言動が、ここまで人々の心を捉えることができるという、奇跡の瞬間でした。
また、8月には、山口県周防大島町で行方不明になった2歳の藤本よしきちゃんを発見した尾畑春夫さん(78歳)がインタビューに答え、ボランティアに対する自らの理念を素晴らしい言葉で表現されました。それは「かけた情けは水に流し、受けた恩は石に刻め」というものでした。
仏教用語とされていますが、被災者のために自分は全力を尽くすが、一切の見返りを受け取らない、という強い信念を表すものでした。
その謙虚さと相手を思いやる尊い精神に、頭の下がる思いがしました。
日本には古くから、謙虚さを象徴する格言として「実るほどに首(こうべ)を垂れる 稲穂かな」という教えがあります。
知識や経験を積み人間的にも高いレベルに達すると、中身の詰まった稲穂がその重さで自然に頭を垂れるように、人間も抵抗なく謙虚な姿勢をとれるようになるものだ、という意味であります。
最近の報道等を見ていると「権利は主張しても義務は果たさない」という人が増えたように感じてしまうのは私だけではないと思います。
そのような傾向が強くなると、人間関係がぎこちなくなり、自分の事だけ優先して行動し、小さな事でトラブルに発展することが多くなるものです。
相手を思いやり、共感や協調の態度が大切にされ、常に謙虚な姿勢を持てる人が増えていけば、お互いに気持ちの良い毎日を送ることができるようになることでしょう。
大坂なおみさんや尾畑春夫さんが示してくれた、人の心を打つような「謙虚さ」を私たちも常に念頭に置いて生活出来たら素晴らしいことだと思います。

校長 松田 清孝